夢一夜

夢一夜

 

時代遅れの男がひとり

路傍に咲いた花を見る

可憐な花の美しさ

見つめてひとひら手にとって

花の匂いを嗅ぎよせる

時が変わった月明かり

明かりの速さに流れてく

 

 

 


風の速さに身を焦がし

まわりの景色に浮かべても

身動きできないひとり旅

夢の一粒拾っても

はかなく淡くちぎれてく

昔気質が変わらずに

夢もさびしく逃げていく